淡水真珠Biwa Pearlとは
What is Biwa Pearl?
淡水真珠は湖などの淡水で育ち、有核や無核があり、形や色が多彩なことが特徴で、独特の温かみのある輝きと多彩な色合いを持っています。環境に優しく、養殖技術の高さでも知られています。
琵琶湖では固有種である「イケチョウガイ」を用いて養殖されてきました。
※琵琶パール(Biwa Pearl)は齋木産業の登録商標です。



淡水真珠の歴史
History of Biwa Pearl
「近江の海沈く白玉知らずして恋せしよりは今こそ増され」
日本で最も古い歌集である『万葉集』の中で、柿本人麻呂がこのように詠んでいるように、真珠は1000年以上も昔から琵琶湖で採れていました。
御木本氏が海でアコヤ貝を使って海産真珠の養殖に成功した15年ほど後の1910年から琵琶湖での淡水真珠養殖の研究が始まりました。
1940年頃にようやく、淡水での無核真珠養殖に成功します。
1950年代から淡水真珠の養殖業が徐々に盛んになります。一方で野生の母貝の乱獲のため母貝不足が問題化し、母貝の人工増殖をはじめます。1980年には琵琶湖全体での真珠養殖の生産量は6tを超えるほどになります。
その後、水域の環境が変化し外来種であるオオカナダモが大量繁茂し、イケチョウガイが激減。1990年には琵琶湖産のイケチョウガイの漁獲量がゼロにまで落ちます。それと共に70件以上あった真珠養殖業者も激減し、現在ではわずか6件、年間収穫量もピーク時は6tほどだったのが、今では数十kgにまで減少。琵琶湖固有種であるイケチョウガイは絶滅危惧種に指定され、今や琵琶湖産の淡水真珠は”幻の真珠”とまで称されるほど希少な存在となっています。
Biwa Pearlができるまで
How Biwa Pearl is cultivated

粘液に包まれた卵(グロキディウム幼生、約0.3㎜)を放出します。
既に二枚貝の形をしており、開閉を繰り返しています。

粘液に包まれた卵(グロキディウム幼生、約0.3㎜ )を放出します。
既に二枚貝の形をしており、開閉を繰り返しています。

採卵後、粘液やを洗って取り除き、選別したグロキディウムを宿主魚(ナマズ)に寄生させます。
魚のエラから血液の栄養を吸収しながら育ちます。

魚に寄生後約2週間後、自らが餌を探して動き回れるようになると魚から脱離します。
貝殻は閉じており手足のようなものを出して動き回り餌を探します。

約4か月間、バットの中で稚貝(ちがい、10mm以上)になるまで育てます。

10㎜以上になった稚貝をバットに移し替え、西の湖へ出します。

西の湖の漁場で3年間、20cm程度になるまで育てます。

西の湖の漁場で3年間、20cm程度になるまで育てます。

外套膜の小片(ピース)を埋め込むもの=無核真珠
外套膜の小片(ピース)+核を埋め込むもの=有核真珠 入れた核の形の真珠ができます。

再び西の湖の漁場に戻し、3年間育成します。
プランクトン(珪藻)を餌に時間をかけて成長し、真珠を形成していきます。

近年はアオコ(藍藻)の影響で、以前にくらべ真珠の成長が1-2年多く時間がかかります。

母貝の成長に3年、真珠の形成に3年、トータル6年以上かけ、ようやく真珠ができます。

